神経幹細胞特異的なエンハンサーによる遺伝子発現制御機構の解明
【研究キーワード】
エンハンサーRNA / エピジェネティクス / 神経幹細胞
【研究成果の概要】
エンハンサーと呼ばれるゲノム領域は数百塩基の長さからなるが、そこに転写因子が結合すると標的遺伝子の発現にスイッチが入ることから、エンハンサーは遺伝子の発現制御において中心的な役割を担っているといえる。また、近年複数のエンハンサー領域が協調的に働いているということが報告され、1領域の解析ではなく、ゲノム全体でエンハンサー領域を網羅的に捉えることが重要である。
本研究課題では、神経幹細胞特異的エンハンサーの同定に加え、その中でもエンハンサー活性を持っている真のエンハンサーの同定を試みた。近年、エンハンサー領域からはenhancer RNA(eRNA)と呼ばれるnon-coding RNAが発現しているという報告がなされていることから、そのeRNAの発現を条件として候補領域を705箇所同定した。それら領域には、既に神経幹細胞のエンハンサーとして知られる領域が多数含まれており、精度良く実験系が機能していることが確認できた。
また、eRNAとmRNAの発現を1細胞レベルで解析可能なRamDA-Seqを行い、エンハンサーの標的遺伝子の同定を試み、既知遺伝子に加え、新規の標的候補遺伝子を複数同定した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)