臨界期可塑性におけるコヒーシンを介したクロマチン構造制御のメカニズム
【研究キーワード】
脳発達 / 抑制性ニューロン / PV細胞 / コヒーシン / クロマチン / ATAC-seq / 臨界期 / 神経回路可塑性 / パルブアルブミン陽性(PV)細胞 / コルネリア・デ・ランゲ症候群 / ChIP-seq / クロマチン高次構造 / 神経可塑性
【研究成果の概要】
幼年期の経験により脳が柔軟に発達する過程の、遺伝子発現調節機構は不明な点が多い。本研究では、マウス大脳皮質の発達をモデル系として、染色体の高次構造を調節するコヒーシンの挙動と役割を調べた。視覚経験により視覚野コヒーシンのゲノム結合位置は変化した。また、経験により発達して回路を調節する抑制性ニューロン(PV細胞)の成熟と、それに伴う遺伝子発現変化にコヒーシン関連因子が必要であることが明らかになった。
【研究の社会的意義】
こどもの脳の正常な発達には、回路を調節する抑制性の神経細胞の働きが欠かせない。中でも経験により発達するPV細胞は、神経回路発達および精神疾患における重要性が示唆されながら、脳内の細胞数の少なさから遺伝子調節の研究が遅れている。本研究では、マウス脳からPV細胞を分取し、発達段階を追って遺伝子発現の解析を行うことで、PV細胞の発達を促す遺伝子群や、その調節に関わる因子の役割を明らかにしてきた。本研究の成果は、脳の成長のしくみと、その異常による精神疾患の原因の解明につながると期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中戸 隆一郎 | 東京大学 | 定量生命科学研究所 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)