リアルタイム共焦点レーザー蛍光画像法によるヒト白血球の動的機能の測定-貧食活性、細胞内カルシウム変化及び活性酸素産生能の解析-
【研究分野】計測・制御工学
【研究キーワード】
共焦点レーザー顕微鏡 / 蛍光画像 / 画像処理 / 白血球 / 貧食能 / 活性酸素
【研究成果の概要】
本研究の第1ステージでは、単球および好中球における細胞膜でのレセプター機能、貧食機能、細胞活性化に関与するカルシウム動態、貧食後の活性酸素産生能、等の関連性について、これら細胞の動的機能をとらえることのできるリアルタイム共焦点レーザー蛍光顕微鏡システムを構築し、その蛍光画像処理法を開発した。まず、既設の顕微鏡システム(オリンパス製)にArレーザーを光源とした共焦点光学系を構築し、レンチキュラーレンズを利用してスリット状のレーザービームをつくりスリット走査により点走査よりはるかに高速な共焦点蛍光画像を得るシステムを製作した。共焦点蛍光画像は既設の高感度SIT管を搭載する高速ビデオカメラ(コダック製)で撮像し、VTRに収録(時間経過を観測するため)、再生画像を間接的に、または直接画像処理システム(日本アビオニクス製)に取り込み、蛍光画像解析するシステムを構築した。これに付随してNd-YAGレーザーと色素レーザを励起・信号光源とする可変波長の光ファイバ増幅器を試作し、蛍光診断用光源としての有効性を検討した。共焦点蛍光画像に対して、蛍光強度分布のヒストグラム表示、蛍光強度分布の3次元表示、蛍光強度の閾値処理、面積計算、それらの時間変化のグラフ、共焦点画像の3次元像構築像を得る画像処理ソフトウェアを開発し、ヒト白血球の貧食活性、及び活性酸素産生能の解析を行った。以上のシステムと方法により、担癌生体ならびに炎症性疾患者の白血球の動的機能、とくに貧食活性及び活性酸素産生能の測定分析を行い、健常者データとの比較を通して貧食細胞の食菌メカニズムについて検討した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
貞広 荘太郎 | 川崎市立井田病院 | 外科 | 医長 |
末松 誠 | 慶応義塾大学 | 医学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
岡田 英史 | 慶応義塾大学 | 理工学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1994
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)