脂肪細胞における酸素および活性酸素種動態の解明
【研究キーワード】
脂肪細胞 / 活性酸素種 / 酸素濃度イメージング / ポルフィリン
【研究成果の概要】
本申請研究では、脂肪分解における細胞内酸素濃度変化、活性酸素種(ROS)刺激の影響と抗酸化剤による脂肪分解機能回復の観察から、脂肪細胞の酸素とROS動態を解明することを目指す。既存の報告とこれまでの研究成果から、脂肪分解には適切なROS濃度が存在することが考えられるが、細胞レベルでの酸素動態や脂肪分解に関与するROSの種類や濃度の影響を詳細に検討した報告はない。
令和2年度は、酸素濃度イメージング時に発生する一重項酸素が細胞へ影響を与えない、新たに開発したPtP修飾メソポーラスシリカナノ粒子(PtP@MSN)を用いて、脂肪細胞内の酸素濃度イメージングと脂肪分解を評価した。PtP@MSNと脂肪滴蛍光色素LipiDyeで二重染色した細胞を用いて酸素濃度イメージングと脂肪滴イメージングの同時観察を行った結果、細胞へのROSの影響を抑制した酸素濃度イメージングが達成され、脂肪細胞の研究に有効であることが示された。
令和3年度は、PtP@MSNと従来の白金ポルフィリンを用いて、脂肪細胞へROS刺激を与えた時の細胞内酸素濃度と脂肪滴変化を観察し、酸素代謝と脂肪分解におけるROSの影響を調べた。培養した3T3-L1脂肪細胞にPtP@MSNとPtTCPPを取り込ませ、発生した一重項酸素によるROSをH2DCFDAで検出を試みた。
令和4年度は、令和3年度の実験を継続し、さらに様々な抗酸化剤を細胞へ添加し、ROSによる脂肪分解阻害からの機能回復を評価する。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)