18世紀ヨーロッパにおけるトランス・ナショナルなネットワークの研究
【研究キーワード】
トランスステイツネットワーク / モルドヴァ / 記憶 / 18世紀ヨーロッパ / ヨーロッパ内移民 / プロテスタント / 啓蒙 / 産業化 / 多文化 / ウクライナ / 東中欧 / 18世紀 / ネットワーク / トランスステイツ・ネットワーク
【研究成果の概要】
本研究は、1760年前後にイングランドの資金援助およびポーランド貴族による職業斡旋によって行われた、オスマン帝国の付庸国モルドヴァ公国フィリペン(現ウクライナ)へのドイツ系プロテスタント入植を分析の対象とし、18世紀中葉ヨーロッパの①地域を結びつけた啓蒙空間のあり方②宗教とナショナル・アイデンティティの変容③「周縁」における「産業化」の具体的諸相④ネットワークの多様性がその後どのように塗り替えられたのか、それらの記憶の解明を試みるものである。
本研究のメンバーは、イギリス、ドイツ、モルドヴァ、ウクライナ、ポーランド、フランスと研究対象を異にしているが、まず5月4日のオンライン研究会において、それぞれがどのようにフィリペンにアプローチできるか、その可能性を検討した。その結果、フィリペン周辺の地域は、複数の言語、宗教、エスニシティが交錯し、しかもそれらの状況が固定化されることなく、変転している点を改めて確認することとなった。また、第二次世界大戦前にフィリペンに言及した研究があることが(数は限られているが)判明した。8月26日の第二回オンライン研究会においては、(1)フィリペンに関わる産業史、(2)辺境論としてフィリペンの問題を取り上げる可能性、(3)18世紀半ばのウクライナの宗教情勢について紹介がなされた。そして、フィリペン入植の展開について、ほぼ20年間のアウトラインの整理を行った。これらは、すべて基礎的な作業であるが、重要なアクター、出来事について大きな手がかりを得たと言えよう。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
黛 秋津 | 東京大学 | 大学院総合文化研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
福嶋 千穂 | 東京外国語大学 | 大学院総合国際学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
西山 暁義 | 共立女子大学 | 国際学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2026-03-31
【配分額】16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)