CO_2固定技術としての難溶性炭酸塩の生成に関する研究
【研究分野】化学工学
【研究キーワード】
反応品析 / 炭酸カルシウム / アミノ酸 / 結品成長 / 核発生 / 塩化ナトリウム / CO_2 / CO_2固定プロセス / CO_2固定 / 反応晶析 / 結晶成長 / 形状制御 / 球状晶 / 装置特性 / 難溶性炭酸塩 / 結晶形状 / 結晶粒径
【研究成果の概要】
平成3年度の炭酸カルシウムの反応品析及びバイオクリスタリゼーションに関する文献調査、アミノ酸存在下における回分反応品析実験の結果をふまえて、まずダブルジェット反応品析装置を用いた未回分式実験を常温・常圧下で行ない、この反応品析過程における結晶形態及び粒径分布に及ぼす濃度(過飽和度)と品析時間の影響について検討した。これより、温度0.3mol/l以上の条件では、一部にアルサイトの生成が認められるが、大部分はバテライト型となり、また粒径分布の経時的堆積より、バテライトの成長過程は粒径の依存性があること、及び粒径が増大すると二次核発生による小粒径側のピークが認められた。そこで、常温、常圧下でカルサイトの均一微粒子を選択的に品析せせるべく、反応液を直接混合することにより多量の不安定機が存在している状態で、少なくとも6〜10分以内にNacl固体粒子を添加することにより、本実験範囲でカルサイトの均一微粒子が得られた。Naclの添加とカルサイトの生成結品個数の関係を相関すると、濃度に依らずNacl添加量のみの影響を受けること、添加により急速にカルサイトが生成され、その粒径分布は添加時間の影響をうけないことから、カルサイトの選択品析は、添加した固体粒子の負、あるいはその溶解過程が寄与するという新しい事実を見出した。また、粒径と個数の関係を物質収支に基づいたモデルより提出し、所等粒径の結品を得るための設計式を提出した。以上の研究成果に基づいて、排ガス中のCO_2を固定するそ一のプロセスを、海水中からの製塩工程及び排ガス又は吸収処理工程とを有機的に結合することになり提出した。本研究は、CO_2を難活性炭酸塩結晶の型で回収するとともに、得られた結晶が高品位のものとなる可能性を見出すとともに、結晶多形を生ずる系において、安定形を効果的に生成すると共の新しい工程品析操作を創出する新展開をきりひらいた、まさに萌芽的研究である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
豊倉 賢 | 早稲田大学 | 理工学部・応用化学科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1991 - 1992
【配分額】1,900千円 (直接経費: 1,900千円)