リンゴ柱状樹形誘導機構の解明と応用研究
【研究キーワード】
カラムナー樹形 / レトロポゾン / ジベレリン / 異所発現 / ジオキシゲナーゼ
【研究成果の概要】
本研究では、2つのアプローチ①・②を展開している。本年度は主に、①に軸足を置いて検討した。①:DOX-Co本来機能の解明では、ジベレリンへの水酸化能が認められたリンゴカラムナー樹形の原因遺伝子産物DOX-Coは、本来はジベレリンとは関わりのない全く別の生理機能を持つと想定されることから、主に生化学的手法を用いた解明を狙っている。その目的達成のため、DOX-Co特異的阻害能を有する化合物が利用できれば、その投与に伴って生じる植物体内の変化の解析が大きな足掛かりになると捉えている。同時に、DOX-Co特異的阻害化合物を選抜する試験系の構築にも着手するにあたり、材料供給面において第一にリコンビナントDOX-Coタンパク質の大幅な収量増加を図る必要があった。そのため、種々の大腸菌発現系を試して収量に与える影響を検討した。加えて、化合物選抜系の候補として幾つかの手法の導入を図り、操作性・コスト面・ハイスループット効果等の観点から最終的に1つの方法に絞って系を整備している。また、リンゴ以外の種からDOX-Coと同じ機能を持つ分子種が存在すれば、より短期間で機能解明に至れるとの想定で、候補遺伝子産物を調製するための準備も進めている。②:リンゴ由来の発現制御機構の解明およびジベレリン生合成酵素の性状解析では、リンゴカラムナー品種におけるDOX-Co遺伝子発現機構解明の足掛かりとして、当該遺伝子発現に関与し得る転写因子等の候補を慎重に精査している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
岡田 和馬 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 果樹茶業研究部門 | 推進室長・技術支援センター長等 | (Kakenデータベース) |
岡田 憲典 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)