細胞運動における細胞骨格の動的性質
【研究分野】分子遺伝学・分子生理学
【研究キーワード】
細胞骨格 / アクチン-ミオシン / ダイニン-チュ-ブリン / 動的不安定性 / 再構成運動系 / ニュ-ロフイラメント / 分裂装置 / 微小管 / アクチンーミオシン / ダイニンーチュ-ブリン / in vitro再構成運動系 / Map2 / ヤリイカの巨大神経 / 収縮環 / adherence junction / 鞭毛外腕欠如株
【研究成果の概要】
生物体における骨格は、支持構造としての不変性と、生体の成長に伴う可変性をあわせもつことが要求される。この2つの相反した機能は、生体の構成単位である細胞にも要請されている。主にアクチンーミオレン系とチュ-ブリンーダイニン系から構成されている細胞骨格は細胞内で恒常的にあるいは細胞周期に同調して、骨格たる重合体と可変性を担う単量体との間に、量的変動をくり返しながら、要請された機能発現を充足している。二つでは生成するばかりでなく、消滅することもまた重要な機能の一つである。本研究はこれらの系の動的性質がいかに細胞の機能と密接に関連しているかを細胞運動を中心とした個々の系の具体例について、各々の研究者が計画に従って解析を行った。(1)微小管の動的不安定性がMaps,dynenの結合によっていかに制御されているかを解折し、dynenの効果はMapsー微小管とPCー微小管で異なることを、Map2では結合si北が脱重合の停止重合の開始点であることを確定した。(2)回転分子モ-タ-の解析。dyneinとmyosinについて再構成運動系を用い、又クレオタイド特異性、ATP加水分解連度と運動の連さとの相図は高くないことを知った。平溶筋シオシン、車軸藻シオシンを用いた運動の極性、アクチン分子内切標品の運動速度について興味ある結果を得た。(3)細胞内で機能分化した微小管の構成について、ウニ卵分裂装置で調べた結果、紡錘体 状体の微小管は異なるアイソタイプチュ-ブリニから構成されていることがわかった。(4)ニュ-ロフィラメントの機能とリン酸化についてはHサブユニットの尾部のリン酸化は微小管との相互作用に、トリプレット蛋白の頭部は繊維の断片代に関与していることが明らかとなった。
【研究代表者】