赤痢アメーバの病原機構における脂質輸送タンパク質の機能解明
【研究キーワード】
脂質 / 輸送 / 感染症 / 寄生虫 / 病原機構
【研究成果の概要】
フォスファチジルイノシトールリン酸(PIPs)の種類・量・局在の時空間的制御は細胞の高次機能において必須である。本研究ではシグナル伝達、細胞骨格、小胞輸送、遺伝子発現など多くの細胞機能の制御に重要な役割を果たすPIPs輸送タンパク質(LTP)の赤痢アメーバの病原機構における役割と制御機構を理解することを目指している。特にSTARTドメインを含む3種のLTPの赤痢アメーバの病原機構における脂質輸送分子基盤とLTPによる運動・貪食・分泌・細胞破壊・増殖等の制御の分子機構の理解を目的とする。LTP1は運動に選択的に、LTP3は主にエンドサイトーシス、分泌に関与するが、本研究ではLTP1/3の下流の実行分子を特定し、機能を解明している。また、LTP1/3の貪食過程での時空間的協調を理解する。これまでにHAやGFP標識を付加したLTP1/3を発現する赤痢アメーバ株を樹立し、発現を最適化した。その抽出液からLTP1/3と結合するタンパク質をアフィニティ法により精製し、質量分析によりタンパク質同定を実施している。更に、LTP1/3による貪食過程の時空間的制御の解明のため、蛍光タンパク質標識されたLTP1/3を同時に発現する赤痢アメーバ株の作成を実施した。作成された形質転換株用いて、ライブイメージングにより、LTP1/3が関与するタイミングと場所を詳細に計画している。更に、LTP4は唯一核移行シグナルをもち、核制御、核ー細胞質輸送などを担うことが予想されるが、今年度はGFP, BioID, HAタグ融合したLTP4を発現する赤痢アメーバ株を作成した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
渡邊 菜月 | 東京大学 | 大学院医学系研究科(医学部) | 特任研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)