In vivo系への適用を目的とした生体動的可視化プローブの開発
【研究分野】生物物理学
【研究キーワード】
分子イメージング / 蛍光プローブ / MRI / 近赤外発光 / 光誘起電子移動 / 蛍光 / レシオ / 亜鉛 / バイオイメージング / 可視化 / 長寿命蛍光 / 超寿命蛍光 / 一酸化窒素 / 蛍光顕微鏡 / DAC
【研究成果の概要】
本研究は,生体分子(生理活性種・酵素・受容体・遺伝子など)を動的に可視化することにより,生理機能解析法を開発することを目的としている。放射線被曝がなく非侵襲的で,かつ体外からの高感度検出が可能である蛍光法や核磁気共鳴法(MRI)などの分光学的手法に基づき,生組織,生体系、特にin vivo系を試料とした「生きている状態」における生体分子をそれぞれの作用部位において直接検出し,時々刻々の変化を画像として捉えるプローブを開発するものである。開発したプローブは可視化と同時に、臨床検査薬などの実用的な応用を目指す。研究期間内に、1.in vivo系に適用可能な近赤外領域発光の蛍光可視化プローブ、2.機能性MRI画像化プローブ、3.長寿命型蛍光可視化プローブの3テーマに焦点を絞って新規プローブの開発を行った。その結果、1.のテーマに関しては、in vivo系に適用可能な近赤外領域発光の一酸化窒素に特異的な蛍光可視化プローブDACs(DAC-P & DAC-S)、亜鉛イオン可視化プローブおよびpH感受性プローブの開発に成功した。2.のテーマに関しては、Gd^<3+>錯体を基盤に、Zn^<2+>と複合錯体を形成することで水の緩和時間を変化させることを原理とした世界で初めてMRI用亜鉛イオンプローブの開発に成功した。更に遺伝子発現をモニターできるMRI用ベータガラクトシダーゼプローブの開発にも成功している。3.のテーマに関しては、実用的な新規ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)活性測定用臨床検査試薬の開発に成功した。また、2型糖尿病に関連しているdipeptidyl peptidase(DPP)4酵素の活性測定用蛍光ランタノイド錯体の開発にも成功した。DPP4阻害剤のスクリーニングに応用でき、医薬品開発の有用である。上記したように、本研究費補助金で極めて画期的数多くの成果が得られた。
【研究代表者】