多孔質媒体内における流体置換現象の微視的な解析
【研究分野】資源開発工学
【研究キーワード】
マイクロモデル / 石油工学 / 多孔質媒体 / 流体力学 / 画像処理 / 流体置換 / エネルギー / 資源開発 / 数値計算 / エネルギ- / 流体工学
【研究成果の概要】
多孔質媒体内の孔隙集合体を模擬したガラス製のマイクロモデルを製作して、孔隙スケールでの流体置換挙動を観察・解析する装置を開発した。
1.マイクロモデルの製作
マイクロモデルの製作手順の概要は以下の通りである。(1)多孔質媒体内の孔隙集合体を模擬した流路図の設計を行う;(2)その流路図をOHPシートに印刷したものをマスクパターンとする;(3)洗浄したガラス板にフォトレジストをスピンコーターを用いて均一に塗布する;(4)ガラス板の上にマスクパターンを被せた状態で、紫外線を照射して現像を行う。マスクパターンの流路以外の部分にあるフォトレジストは紫外線照射により固結する;(5)ガラス板を水洗して未固結のフォトレジストを取り除くことにより、流路部分を露出させる;(6)ガラス板を弗化水素酸でエッチングして、設計した流路図をガラス板表面に彫る;(7)流路を作成したガラス板と未処理のガラス板を電気炉で加熱接着する。
2.流体置換現象の解析
2.1cm四方の流路ネットワークを彫ったマイクロモデルを油飽和した後に、マイクロフィーダーポンプを用いて、モデル内に一定流量で水およびポリアクリルアミド200ppm水溶液を圧入した。その時のモデル内の油置換挙動を実体顕微鏡で拡大し、CCDカメラを通じてビデオ撮影した。各実験では、粘度の異なる3種類の油(1.5mPa・s、28mPa・s、55mPa・s)を使用した。油置換挙動の撮影データを画像解析することにより、油粘度と圧入レートの違いによる油置換挙動の変化および水圧入とポリマー水溶液圧入による油置換挙動の違いを解析した。その結果、(1)水圧入では油粘度が低いほど面積掃攻率が高まること;(2)ポリマー水溶液を圧入した場合は、早期に面積掃攻率が高まることがわかった。以上のように、孔隙スケールでの油置換挙動を簡便にテストする装置として、本装置の有効性を確かめた。
【研究代表者】