唾液メタボローム解析を用いた次世代疲労バイオマーカーの開発
【研究キーワード】
疲労 / メタボローム / 唾液 / バイオマーカー / 予防医学
【研究成果の概要】
本研究では、メタボローム解析に用いる検体として、従来の疾患バイオマーカー探索研究で主流であった血液ではなく、簡易に身体的負担も少なく反復して採取可能であり、採取後の処理も簡便な唾液に着目した。唾液成分はの一部は、血液由来であり、生体内の生理的な状態を反映すると考えられ、唾液を用いた疾患マーカー探索研究もおこなわれるようになってきた。日本では、高齢化社会を迎え健康寿命の概念から、未病状態に対策を講じて健康増進を促す予防医療の考え方が重要視されるようになってきた。未病状態における生体の機能変化に対するアラーム機構として、疲労が作動すると考えられ、生体状況を鋭敏に把握し、疾患発症を予測、予防的に対処するために指標となるバイオマーカーが必要となる。そこで、利便性の高い唾液を用いたメタボローム解析により疲労バイオマーカーを開発すれば、医療機関でなくとも検体を採取し、定期的な疲労度チェックなど健康増進に活用するシステム構築が可能になる。本研究において、当該マーカーを用いた個別化予防医療に貢献することをめざす。
今年度は、参加した学会において、メタボロームデータを扱う際に有用な統計手法や、疲労の病態生理に関する最新知見を得た。また、唾液を用いたメタボローム解析に関する文献を参考に、本試験デザインを検討した。
今後、社会状況を注視しつつ、研究実施に向けてより詳細な試験プロトコルを構築し、本試験を実施する環境整備を行う。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
杉本 昌弘 | 慶應義塾大学 | 政策・メディア研究科(藤沢) | 特任教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)