近世・近代史料所在情報の収集及びその体系化に関する基礎的研究
【研究分野】日本史
【研究キーワード】
近世史料 / 近代史料 / 所在情報 / データベース / 史料所在情報 / 体系化
【研究成果の概要】
本研究の目的の第一は, 近世・近代の史料所在情報を全国的に調査・収集することであった. このため全国を北海道・東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州の9ブロックに分け, 研究分担者が各ブロックを分担して史料所在情報の調査・収集にあたった.
史料所在情報の主たる情報源は, 図書館・文書館などの史料保存利用機関や, 自治体史編纂室, 大学などが作成あるいは所蔵している史料目録類であり, 可能なものについては受贈・購入や複写などの方法で収集した. 3カ年の研究期間中に調査した期間は, 465機関(実数)に及んだ. その成果として収集できた史料目録類は, 1368タイトル, 2010冊にのぼり, 従来より史料館が保有している情報と合わせると, 全国的な史料所在状況がかなりの程度明らかになった. しかし他方, 史料目録類の作成状況に地域的な差があることも浮きぼりにされた.
本研究の第二の目的は, 収集した史料目録類を整理・分析し, 将来のデータベース化をにらんで, 史料所蔵者一件別のデータカードを作成することであった. わが国における目録編成の理論と技法の未発達を反映して, 史料目録類には実に様々なものがあり, データカードへの記述を標準化することは困難であったが, 研究期間中, 約3千枚のカードを作成し, 以前作成したものと合わせ, データカードの蓄積量は約3万8千枚になった.
本研究の第三の目的は, 将来の, 電算機を利用した史料所在情報蓄積・検索システムの開発に備え, 基礎的な問題について研究を行うことであった. これについては, 一部の史料所蔵者一件別カードを使って, 機械可読型ファイルの試験的編成と検索実験を行った結果, データカードの有効性や構造上の問題点が明らかになり, 史料所在情報システムへの展望が開かれた.
【研究代表者】