大気汚染粒子の放電分解と関連する放電基礎量のデータベース化
【研究分野】電力工学・電気機器工学
【研究キーワード】
大気汚染粒子 / 放電分解 / 基礎過程 / データベース / 電子衝突断面積 / 化学反応定数 / 窒素酸化物
【研究成果の概要】
大気汚染粒子の放電プラズマ処理技術に関連する基礎過程を調査し、これらをデータベース化することを目的に調査研究を行った。先ず、(1)放電分解技術の現状と問題点、(2)大気汚染ガス分子の電子衝突断面と化学反応定数の調査とデータベース化、(3)放電プラズマ特性の解明、(4)放電分解技術に関する基礎から実用までに関与する幅広い研究者層の組織化、を目指し、平成10年8月18日(火)に第一回の全体会議慶應義塾大学で行い、分担者の研究現状の紹介と役割分担を確認し、その後随時研究調査・打ち合わせを行うとともに、平成11年2月1日北海道大学にて調査研究の成果報告会を開催した。
成果を要約すると、(1)放電分解技術に関しては、窒素酸化物分解速度に及ぼす電極材質の効果が検討され、電極にタングステンと銅を用いたとき優れた結果が得られ分解反応に触媒効果を及ぼすこと、ならびに放電に加えて紫外線照射が分解効果を向上させることが調査された。各種大気汚染粒子による窒素準安定励起状態(A状態3重項)のクエンチング速度が測定され、そのメカニズムが検討された。(2)大気汚染ガス分子の電子衝突断面積と化学反応定数の調査とデータベース化に関しては、半導体プロセス後排出される化学的活性なふっ化炭素系ガスの解離反応定数の測定法の提案、大気汚染物質の赤外分光計測による濃度測定、地球表面大気ガスの電子衝突断面積のデータベース化、極低温に於けるプラズマ中で低エネルギー電子衝突過程ならびに電子・正イオンクラスター間の再結合機構に付いて調査された。(3)放電プラズマ特性に関しては、窒素RFプラズマの発光モデリング、プラズマパラメータの評価法,表面磁場で閉じこめられたアルゴン/酸素混合ガスプラズマの空間構造、プラズマ電流のより厳密な記述法の提案、プラズマリアクターデザインを目的としたモデリング、アフターグローにおける準安定励起状態のアルゴン原子の振る舞いが調査された。
【研究代表者】