超臨界アルコールが関与する有機化学反応の探索
【研究分野】物質変換
【研究キーワード】
超臨界アルコール / ヒドロキシアルキル化 / 水素化 / エステル化 / 超臨界二酸化炭素 / カルボキシル化 / カルボン酸 / ^<18>O-メタノール / 立体障害 / ニトロ化合物 / アルデヒド / ケトン / α,β-不飽和アルデヒド / 超臨界流体 / 超臨界メタノール / 超臨界エタノール / Styrene / Diphenylacetylene / Benzoic acid / Mesitoic acid / 無触媒反応
【研究成果の概要】
超臨界流体を利用するプロセス開発が注目を集めている。本研究では超臨界アルコールが,反応場としてだけでなくReaction Partnerとしても関与する有機化学反応の探索を行った。
1.超臨界アルコールとアルケンの反応:アルケンが共役した芳香環を持つとき,アルケンのヒドロキシアルキル化と水素化が進行した。ヒドロキシアルキル化の速度はアルコールの構造(第2級>第一級)とアルケンの構造((Ph)_2C=CH_2>Ph-CH=CHPh, PhCH=CH_2>PhCH_2CH=CH_2)に依存した。ヒドロキシアルキル化では超臨界アルコールのα-水素の解離(ヒドリドまたは水素ラジカル)が律速段階になっていることが推定される。
2.超臨界メタノールとDiphenylacetyleneの反応:アルキンが共役した芳香環を持つとき,アルケンのヒドロキシアルキル化と水素化が進行した。
3.超臨界アルコールとカルボン酸の反応:超臨界第一級アルコールを用いたとき,カルボン酸のエステル化が進行した。エステル化の機構はカルボン酸の構造により異なる。1)立体障害の小さいカルボン酸ではカルボニル炭素と酸素原子間の結合の開裂を経て進行し,2)立体障害の大きいカルボン酸ではカルボキシル基の酸素-水素結合の開裂を通して進行する。
4.超臨界二酸化炭素とPyrroleの反応:超臨界アルコールのReaction Partnerとしての特異性を理解するために,超臨界二酸化炭素とPyrroleの反応について検討した。Bacillus megateriumの細胞中に含まれる脱炭酸酵素が,超臨界二酸化炭素によるPyrroleのカルボキシル化反応の触媒として働くことを見出した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松田 知子 | 龍谷大学 | 理工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2001
【配分額】3,700千円 (直接経費: 3,700千円)