次世代都市モデルの多数地震シナリオ統合地震シミュレーションに基づく被害推定
【研究分野】構造工学・地震工学・維持管理工学
【研究キーワード】
連続体力学 / 構造力学 / メタモデリング理論 / 都市地震応答 / 都市地震被害推定 / 可視化 / 大規模計算 / 並列計算
【研究成果の概要】
メタモデリング理論の構築に関して,1次元梁モデルと連続体モデルの比較を行った.1次元梁モデルは,1次元棒モデルについで最も簡単な構造力学の物理モデルである.しかし,連続体モデルが2階の微分方程式を支配方程式とすることに比べ,1次元梁モデルは4階の微分方程式を支配方程式とし,指定すべき境界条件の数も多く,数理的には複雑である.さらに,梁要素は,節点の自由度として変位の他,曲げ角を使い,計算力学の観点からみても複雑である.このため,梁モデルと連続体モデルの比較は,メタモデリング理論の第一歩として適当である.
梁モデルから連続体モデルの精緻化に関しては,予想通り,対応する境界値問題を解く際こは,梁モデルで仮定された変位関数は,近似無しで使われる連続体モデルの正解にほぼ一致することが示された.両者の違いは,主に梁モデルで行われる境界条件の近似に起因する.この結果,梁モデルでは,変位関数に比べ,微係数(曲げ角)の精度が低くなる.また内力となる曲げモーメントとせん断力の精度が低い.この点を考慮し,梁モデルの変位関数が,連続体モデルの共役勾配法の優良な初期解として使えることが確認された.
連続体モデルから梁モデルの単純化に関しては,連続体モデルの3次元変位関数から,それに対応する梁モデルの1次元変位関数が計算できることが示された.曲げ角関数も同様である.注目すべきは内力である.従来の断面の応力から算出するのではなく,対応する梁モデルの変位関数・曲げ角関数を使って,曲げモーメント関数とせん断力関数を計算することが効率的かつ正確であることが示された.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
市村 強 | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授(移行) | (Kakenデータベース) |
MADDEGEDAR a.L. | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授(移行) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2018-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)