過去の組織変革の経験が今後の組織変革に与える影響の理論的・実証的解明
【研究キーワード】
組織変革 / 戦略的転換 / 組織ルーティン / 組織学習 / ダイナミクス / 経営組織 / 経営学
【研究成果の概要】
2021年度には、国際学術雑誌に1本の論文が受理され、国内学会での発表も行った。また研究補助者の協力を得ることで、データセットの構築及び整備についても順調に進んでいる。
学会発表(日本経営学会関東部会シンポジウム)では、過去の組織変革(organizational change)や戦略的転換(strategic change)に関する経験が今後の組織活動に与える影響について検討した。組織変革は多様な議論が展開されており、たとえば断続的均衡モデルや継続的変革モデルなどが研究されてきた。近年では感情などの心理的なファクターを取り入れる研究や組織変革の受け手であるレシピエントに注目した研究もみられる。
本発表では、既存研究の研究課題(具体的には既存研究で理論的に複数の主張が提示されていること)を説明した後に、組織変革の既存研究に裏付けされたモデルを提示した。くわえて、経営者予想と組織変革(戦略的転換)、希求水準(aspiration level)と組織変革に関する研究についても一部発表を行った。
当日の議論では、過去の組織変革や戦略的転換の経験を考える際に経営者要因を考慮する必要性、企業行動理論で中心概念である組織ルーティンと満足化については(それぞれを分けて議論を進めるのではなく)同時に検討する必要性などについて指摘を受けた。具体的な本発表の成果については、今後は論文にまとめて国際学術雑誌への投稿を目指すが、その際には今回のフィードバックも反映させる予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)