海洋エネルギーを基にした新基幹エネルギー創出に関する研究
【研究分野】船舶海洋工学
【研究キーワード】
海洋エネルギー / 再生可能エネルギー / 水素社会 / 自然エネルギー / 基幹エネルギー / エネルギー輸送
【研究成果の概要】
再生可能エネルギーを基幹エネルギーの一つとして育てることが切望されている。特に、海洋エネルギーはそのポテンシャルの大きさから、その利用に対する期待は大きい。しかし、我が国の全消費エネルギーの数十パーセントを賄う基幹エネルギーを創出するには、100MWクラスのプラントを数百〜数千基単位で稼動させなければならない。これだけ多数のプラントを洋上で連携して効率良く稼動させるには、エネルギー輸送や海象情報伝達の一元化を含むグランドデザインが重要である。本研究では、4つの分科会に分かれて、以下の項目について調査検討を実施し、全体会議(3回実施)にて、各分科会間の横の連絡を図るとともに、海洋エネルギー全体の姿について討議した。
(1)岸・近海における風力発電、波力発電、海洋温度差発電、海洋バイオ発電プラントの得失、技術レベル、LCA、沿岸・近海に特有の問題点の調査検討
(2)深海域における海洋温度差発電、海洋バイオ発電プラント、人工水産、海底天然ガス、メタンハイドレートプラントの得失、技術レベル、LCA、深海域に特有の問題点の調査検討
(3)無係留で外洋を航行しながら海洋エネルギーを回収する風力発電、波力発電プラントの得失、技術レベル、LCA、無係留方式に特有の問題点の調査検討
(4)(1)〜(3)に共通する部分として、輸送を視野にいれた最終エネルギー形態の調査検討、海象・気象情報の取得と伝達あるいは予報に関する調査検討、エネルギー腑存量の調査検討
また、全体会議の討議の成果として、従来から行われている単なる金銭的な経済性評価ではない他の切り口(例えば二酸化炭素排出量によるLCAなど)で海洋エネルギーを評価した時、人間社会に対する海洋エネルギーの評価は大きく変り得ることが分った。それを基に、人類の豊かな未来に海洋エネルギーがどのように貢献できるのかも討議した。
【研究代表者】