磁気ディスク装置内に発生する非定常流れの3次元自動計測システムの開発
【研究分野】機械力学・制御工学
【研究キーワード】
流れの可視化 / 磁気ディスク装置 / 非定常流れ / 不安定流れ / 画像処理 / 水素気泡法 / 非定常流
【研究成果の概要】
磁気ディスク装置の多層円板間に発生する流れは、ディスクフラッタ、ディスククラッシュなどの構造流体連成問題、ディスクの回転に伴う発熱や磁気ディスク装置内のゴミの挙動等にかかわる重要な研究テ-マと思われるが、3次元的で複雑な流れであるため、物理的な解釈や定量的なデ-タを伴った研究がほとんど行われていないのが現状である。本研究は、磁気ディスク装置の多層円板間に発生する非定常流れの3次元構造を明らかにするため、2枚の円板間に張られたステンレスワイヤから発生する水素の気泡を円周方向と隙間方向の2方向から同時に観察し、画像処理することにより定量的に流れを分析することのできるシステムの開発をめざして研究を行なった。本研究では、(1)実験装置の設計製作、(2)実験装置制御系の設計製作、(3)水素気泡発生のための電気回路の製作、(4)実験、(5)画像解析方法の開発、(6)画像解析用ソフトウェアの開発、(7)システムの検定の7つの項目について研究を行った。本研究で作成した実験装置は、磁気ディスク装置のシュラウドを模擬したアクリル製円筒の中で回転する2枚のガラス製円板の間に張ったステンレスワイヤから発生する水素の気泡を2台のCCDビデオカメラで円周方向と隙間方向の2方向から観察するものである。2方向からの画像はマルチビュア-によって合成された1つの画面となり、円板と一緒に回転している回転台に取り付けられたビデオデッキに収録される。この画像をオフラインで画像処理して、時間的に変動する流れの場を円板とともに回転する座標系から観察することができる。また、システムの検定のために、水素気泡の流れ場への追従性を確認するため、平行円板間に置かれた気泡の運動のシミュレ-ションを行なった。その結果、本システムは、気泡の浮力の影響が顕著であるので隙間方向の流れの観察には適さないが、非定常な流れ場を観察するのに有効なシステムであることが確認できた。
【研究代表者】