地震観測データ同化に基づく巨大地震の長周期地震動リアルタイム予測
【研究キーワード】
データ同化 / 長周期地震動 / 災害軽減 / 地震波伝播 / 即時予測 / 地震 / 南海トラフ地震
【研究成果の概要】
データ同化に基づく大地震の長周期地震動の即時予測に向け、事前に計算した地震波伝播の理論解(同化地点から観測点までの地震波伝達関数;グリーン関数)を用いて、予測地点の地震波を瞬時に評価する、新たなデータ同化・予測手法を開発した。グリーン関数を用いた予測は、津波のデータ同化・予測の目的にWang et al. (2017)が開発し、インド洋や米国西海岸での津波予測の数値実験より有効性が示されている(Wang et al., 2019)が、本手法を長周期地震動の予測に適用するために、1)3次元的に伝播する表面波(長周期地震動)への適用可能性、2)海底ケーブル津波観測点(近い将来に四国沖から日向灘に計画中のN-netを含む)による予測精度・猶予時間の向上、3)同化を行う観測点と長周期地震動の予測地点の空間分布を考慮した、相反定理を利用したグリーン関数の効率的な計算手順を新規開発した。2004年紀伊半島南東沖地震のKiK-net及びK-NET強震記録を用いてデータ同化・予測実験を行い、本手法の有効性を評価し、近年整備された海底ケーブル観測網による即時予測の時間猶予の効果を確認した。そして、内閣府防災担当により構築された南海トラフ最大級地震モデルを用いて、断層破壊開始点(震源)の異なる条件での大阪平野、濃尾平野、関東平野の長周期地震動の即時予測実験を行ない、予測の猶予時間と精度のトレードオフの関係と、繰り返し予測による精度の向上具合について速度応答スペクトル値の時間変化を用いて検討した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
前田 拓人 | 弘前大学 | 理工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)