5自由度制御型能動空気軸受の試作研究
【研究分野】機械工作
【研究キーワード】
空気軸受 / 能動空気軸受 / 能動制振 / 超精密位置決め / 圧電素子 / 超精密機構 / メカトロニクス / 能動化
【研究成果の概要】
本試作研究では,(1)回転以外の5自由度の軸の運動誤差の計測と制御,(2)軸の剛性,振動減衰性の能動的改善,(3)軸の絶対運動誤差の計測と制御,などの機能を持つメカトロニクス化された超精密空気軸受(能動空気軸受)の実現を目指し,以下の成果を得た.
(1)軸の絶対運動精度計測法の確立
従来,軸の回転運動誤差は,軸そのものを基準に評価してきた。しかし実際には軸には真円度誤差があり,本研究では,回転する軸の真円度と,軸の運動精度を同時に評価できる測定方法を考案し,圧電素子をアクチュエ-タとする2自由度制御型能動空気軸受を用いた実験によりその有効性を確認した.本方法の測定精度は15nmであった.
(2)軸の絶対運動精度制御法の確立
上記の方法で計測した軸の形状誤差を,制御系の入力として用いることにより,軸の回転精度を絶対的に向上する方法を示した.さらに,2自由度制御型能動空気軸受によりこの方法を実験的に検証した.その結果,750rpmにおいて20nm以下の絶対運動精度を達成できた.
(3)5自由度制御型能動空気軸受の試作
試作した軸受は,2自由度制御型能動空気軸受2基により,軸のラヂアル方向位置及び軸の倒れを制御し,スラスト型能動空気軸受により軸のスラスト位置を制御する方式とし,以下の性能を得た.
1)制御バンド幅300Hz,位置決め分解能15nm
2)回転運動精度(45rpm;並進位置15nm,倒れ0.015arcsec
3)静剛性無限大
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森山 茂夫 | 中央研究所 | 主任研究員 |
豊山 晃 | 取締役 |
佐藤 海二 | 東京工業大学 | 精密工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】試験研究(B)
【研究期間】1990 - 1991
【配分額】13,900千円 (直接経費: 13,900千円)