法学研究における電子的媒体の有用性の研究
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
パッケージ系 / ネットワーク系 / 一覧性 / 情報量 / 判例集 / 伝送実験
【研究成果の概要】
日本及び欧米のCD-ROM等のパッケージ系の電子的媒体並びにネットワーク系のオンライン・データベースを実際に利用して研究活動を行った。電子的媒体は従来の印刷物に比べ一覧性などの点で劣るものの、1媒体当たりの情報量は印刷物に比べると圧倒的に大きく、またキーワードによる機械的な検索が可能であるため、例えば印刷物の場合民事の判例・文献と刑事の判例・文献とではそれぞれ別個の検索が必要であったものが、電子的媒体による検索の場合1回で済むなど、分野を超えた横断的な利用が可能であるという点で優れている。
また、印刷物の形態で保管する場合に比べ、電子的媒体による保管は空間の大幅な節約につながるものである。今後は裁判所の判例集等の電子化についても強力に進めていく必要がある。さらに、電子的媒体は通信回線を通じた伝送が可能であるため、我々は日本に居ながらにして全世界の裁判例や文献等を入手することができるという点でも、電子的媒体の活用は従来の法学研究のスタイルを大きく変えていく可能性を秘めている。ここで注目されるのは、今日世界的に急速な普及が進んでいるインターネットの活用である。欧米では公共機関においてインターネットを通じた国内・海外への情報発信の充実が図られているのに比べ、我が国は大幅に遅れている。このことは、特に裁判所、行政機関及び法学系の研究期間において顕著である。したがって、今後はインターネットをはじめとする情報ネットワークを通じた法律情報の発信・提供システムについての研究開発を進めていくとともに、欧米の大学及びその他の研究機関への電子的媒体の伝送実験を行うこととしたい。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
斎藤 誠 (斉藤 誠) | 東京大学 | 大学院・総合文化研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1996
【配分額】5,000千円 (直接経費: 5,000千円)