関節軟骨表面における高機能潤滑システムの自己形成・自己修復メカニズムの探究
【研究分野】設計工学・機械機能要素・トライボロジー
【研究キーワード】
トライボロジー / 関節潤滑 / 超潤滑 / 細胞・組織 / 関節軟骨 / 関節液 / 生体分子 / 生物・生体工学 / 生体高分子 / 張潤滑
【研究成果の概要】
関節軟骨によく似た性質を持つ柔軟材料(ハイドロゲル)を軟骨モデルとして用い,生体関節の摩擦を小さくし,滑らかな動きを可能にしている超潤滑メカニズムの詳細を探求した.その結果,関節液に含まれるヒアルロン酸とリン脂質の複合体が優れた潤滑機能を発揮し摩擦を低減すること,軟骨を形成する細胞外基質とこれらの成分が結びつくことで潤滑機能が更に高まること,さらに軟骨組織に含まれる水が上記の成分による潤滑機能の形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした.
【研究の社会的意義】
この研究から得られる成果には3つの意義が存在すると考える.一つ目は,生体関節の潤滑メカニズムを解明する基礎科学的意義.二つ目は,関節潤滑の破綻による変形性関節症の発症メカニズムについて新しい知見を与える臨床医学的意義,三つ目は,柔軟で透水性を有する高含水ハイドロゲルを摩擦材とし,生体高分子類似の分子構造を有する水溶性潤滑剤を用いた,画期的な超潤滑しゅう動システム開発につながるシーズ技術研究としての工学的意義である.
【研究代表者】