レオロジー特性に基づく濃厚コロイド系の構造可視化
【研究キーワード】
コロイド / レオロジー / 粘弾性 / 数値シミュレーション / 凝集構造 / 剪断応力 / 粘度 / ヒステリシス
【研究成果の概要】
濃厚コロイド系の塗布・乾燥により,二次電池電極や積層セラミックスコンデンサなどの機能材料が作製されている.材料性能はコロイドが形成する粒子系構造に左右されるため,その制御が課題である.塗布・乾燥では,調製時のコロイドの分散・凝集状態に剪断流動が作用して非平衡構造を生じる.その把握のためにレオロジー特性が測定されるが,構造を直接観察できない上に理論も未整備ゆえ,測定結果からの構造の解釈は推測の域を出ないのが実状である.本研究では,濃厚コロイド系のレオロジー特性を評価可能な数値シミュレーションモデルを開発するとともに,実測データと比較しながら,粒子系構造とレオロジー特性の関係を明らかにする.2021年度に得られた結果をまとめると以下の通りである:
(1)濃厚コロイド系のレオロジー特性を評価可能な数値シミュレーションモデルを開発した.この数値シミュレーションでは,レオロジー測定で想定される単純剪断流れ場(定常・振動)での粒子・流体運動を周期境界条件の下で計算し,発生する応力から粘度や動的弾性率を評価する.
(2)(1)を用いて,粒子間相互作用(粒子の分散・凝集状態)による粘弾性挙動の差異を見出した.また,粘弾性挙動の角周波数依存性が,粒子間力から定まる時定数で整理できることを見出した.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)