高速自由曲面加工用パラレルロボットの試作研究
【研究分野】設計工学・機械要素・トライボロジー
【研究キーワード】
パラレルメカニズム / 高速加工 / ワークテーブル / 機構総合 / キャリブレーション / 剛性 / 精度 / 軌道生成 / 最適化
【研究成果の概要】
本研究は,再現性の高い送り機構と剛性および回転精度に優れた高速回転の主軸機構からなる三次元自由曲面加工用NC工作機械の開発を目指し,6自由度空間パラレルメカニズムを送り機構として実用化するための試作研究を行ったものである.まず,クランク入力形の6自由度空間パラレルメカニズムを取り上げて高速加工機用ワークテーブルとして要求される作業領域,運動精度,剛性,速度,発生力等の仕様を満足する最適機構の総合を,ジョイントの大きさ・可動範囲・剛性,減速機の大きさ・剛性,アクチュエータの分解能等の実際に用いる機械要素の特性を考慮して行うことができた.次に,機構総合の結果に基づき要素設計を行ってパラレルメカニズム形ワークテーブルを試作するとともに制御装置を開発した.そして,試作ワークテーブルの基本的な運動特性を明らかにするために,作業領域,位置繰返し精度,静剛性および動剛性の測定を行ったところ,所期の基本特性が得られていることが確認された.また,試作ワークテーブルと高速スピンドルを組み合わせた高速切削加工機を構成し,実際にアルミニウムおよび鋼材を被削材とした切削加工実験を行ったところ,高速切削加工による良好な加工表面が得られることが確認できた.さらに,パラレルメカニズム形ワークテーブルの絶対精度を向上させるために,等速円運動を出力運動とした場合の変位誤差の測定値をもとにしてフーリエ級数を用いる機構キャリブレーション法を新たに開発するとともに,キャリブレーションのための出力運動の最適な組合せを選定するための評価指標を提案し,測定誤差を考慮したキャリブレーションのシミュレーションを行ったところ,キャリブレーション後の機構の精度と提案指標の間に強い相関があることを確認した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
芳賀 務 | 日立精機株式会社 | 技術本部・設計部 | 専任部長(研究職/">(Kakenデータベース) |
武田 行生 | 東京工業大学 | 工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1999
【配分額】13,000千円 (直接経費: 13,000千円)