ポルフィリンJ会合体の階層構造と光電子機能
【研究分野】高分子構造物性(含繊維)
【研究キーワード】
ポルフィリン / J会合体 / 自己組織化 / 分子集合体 / 階層構造 / 光機能 / 電子機能 / LB膜 / テトラフェニルポルフィリン / プロトン化 / 界面 / エキシトン / ナノ結晶
【研究成果の概要】
ポルフィリンJ会合体は、光合成の光捕集を担うクロロフィル集合体の光エネルギー移動とも関連し興味がもたれる。われわれは、プロトン化した非水溶性テトラアリルポルフィリン誘導体が、界面で自己組織化しJ会合体を生じることを明らかにした。今年度は、気-液界面に生じたJ会合体の構造と物性について検討した。
非水溶性テトラアリルポルフィリン誘導体の塩化メチレン溶液に硫酸水溶液を加えると液-液界面にJ会合体ナノ結晶が生じる。これらの非水溶性ポルフィリンJ会合体は気-液界面でも容易に形成された。その吸収スペクトルは、液-液界面で形成したJ会合体より先鋭になることが明らかになった。これは、J会合体の一次元鎖間のインコヒーレントな相互作用が少なくなることによると考えられる。気-液界面で生じたJ会合体のAFMには、ナノファイバー構造も見られた。
ポルフィリンJ会合体単分子膜は、25%硫酸水溶液上にポルフィリンモノマーの塩化メチレン溶液を展開することで得られた。室温付近では再現性の良いπ-A曲線が得られた。極限占有面積は1分子あたり約0.5nm^2であり、ポルフィリン分子は水面に直立していると考えられる。この単分子膜は、他の両親媒性分子の助けなしに、ガラス基板上に容易に累積できた。このJ会合体LB膜では、通常のポルフィリンJ会合体の会合軸に垂直な遷移双極子モーメント間の相互作用による短波長のS_2吸収が著しく小さくなる。この結果から分子が均一に基板に直立して会合していることが明らかとなった。以上本研究では、ポルフィリンJ会合体を界面に配向させる技術について基本的な知見を得ることができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
城田 秀明 | 東京大学 | 大学院・総合文化研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,900千円)