静電力を利用するマイクロ粒子のマニピュレーション技術
【研究分野】知能機械学・機械システム
【研究キーワード】
静電応用 / マイクロマニピュレータ / 粉体工学 / 個別要素法 / 進行波電界 / 再生医療 / 月面探査 / ルナダスト / マイクロメカニクス / マイクロ化学システム / マイクロメカトロニクス / 精密機械システム
【研究成果の概要】
本研究は、電子材料、セラミックス、プリンタ、医薬品、化粧品、再生医療などの分野で用いられるマイクロ粒子を、静電力によって搬送、分別、分離、混合など自在に操作する技術を開発することを目的とした。本研究の結果、以下の成果が得られた。(1)粒子のミクロな運動を計算し、各種因子の影響を調べるために、個別要素法に電磁力を付加した数値シミュレーションモデルを構築した。個別要素法は従来のCundallモデルにもとづく軟体球モデルのほかに、計算速度が格段に速い剛体球モデルによるものも開発した。これらの計算手法は、下記の各分野のほかに、電子写真技術の研究開発に役立てられている。(2)進行波電界によって粒子群を搬送、分散、集中、混合する技術を開発した。この技術は、2008年度以降、NASAとのコラボレーションによる、月面活動時に障害となるダストのクリーニング技術の開発に発展させる計画である。(3)特殊な電極を用いることによって、粒径などの異なる粒子が混在する粒子群から、特定の粒子を分離・分別する技術を開発した。(4)静電ピンセットによる単体粒子のマニピュレーション技術を開発した。この技術も、2008年度以降、NASAとのコラボレーションによる月面上のダストのハンドリング技術の開発や再生医療のための細胞ハンドリング技術に発展させる計画である。(5)本研究の一部は国内外企業や医学分野などとの共同研究に発展しており、現在鋭意実用化研究を行っている。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】14,730千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 930千円)