放射性物質の遠隔同位体分析に向けた高分解能レーザープラズマ共鳴分光・分析法の開発
【研究キーワード】
レーザーアブレーション / レーザー誘起共鳴蛍光 / ドップラーフリー分光 / 多段階共鳴励起 / 同位体分析 / カルシウム / 蛍光分析 / 遠隔同位体分析法 / 共鳴蛍光分光 / 共鳴吸収分光 / レーザー分光 / 遠隔分析 / 原子・分子物理 / ドップラーフリー / 飽和吸収分光
【研究成果の概要】
廃炉作業で生じる様々な高放射性分析試料に対し、遠隔性(非接触性)があり、速やかに結果の得られる分析法として、レーザーアブレーションとドップラーフリー共鳴蛍光分光を組み合わせた、高分解能分析法の開発を行った。これにより従来のドップラー拡がりのある共鳴分光法に比べて、波長分解能を10倍以上(100MHz)向上させることに成功した。本方法をコンクリート中の天然カルシウム同位体の分析に適用した結果、アバンダンス比が0.6%程度の42Caの検出も可能な感度を有することや、校正曲線の線形性にも問題がないことなどを確認した。
【研究の社会的意義】
廃炉では様々な核種組成情報が求められるが、分析作業員の被ばく防止や、廃炉作業への分析結果の速やかな反映のため、遠隔性や迅速性のある分析法が求められ、アブレーション共鳴分光の利用が望まれている。しかし、多くの核種では、同位体毎の共鳴波長の差が小さく、ガスでレーザープラズマを冷却しても、ドップラー効果によるスペクトル幅が広く、同位体の識別は難しかった。開発した高分解能アブレーション共鳴蛍光分光法は、従来法に比べて1桁以上波長分解能が高く、廃炉に関係する多くの核種の分析が可能となっており、その社会的意義は大きい。また本方法は、レーザープラズマの精密計測の手法としても利用でき、科学的意義も高い。
【研究代表者】
宮部 昌文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉環境国際共同研究センター 研究主幹
(Kakenデータベース) 【研究分担者】 |
長谷川 秀一 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)