レーザーによる原子炉計測制御法の基礎研究
【研究分野】原子力学
【研究キーワード】
レーザー / 核励起レーザー / 中性子検出器 / 原子炉出力系 / スピン整列 / 光ファイバー / 原子炉制御 / He-3ガス / スピン偏極 / 中性子計測 / He-Neレーザー / He-Ne-H_2レーザー / He-Rb法 / 光ポンピング法 / 偏極中性子 / He-3核
【研究成果の概要】
(1)レーザーを用いた中性子計測法
核励起レーザーの原理を用いた中性子検出法として、当初計画していたのはHe-Neガス系であるが、このガス系については、封入可能Heガス圧が数十Torr程度と低く、^3He(n、p)t反応を用いて核反応により、ポンピングすることは困難であることが判明した。
そこで、2年目よりHe-Ne-Arガス系を用いることとした。このガス系については、Heガス圧を3気程度にまで高くすることができるので、中性子による^3He(n、p)t反応を通じたポンピングが容易と考えられたからである。
この3成分ガス系については、原子炉による中性子照射実験を「弥生炉」(東大・原子力工学研究施設)と「JRR-4」(日本原子力研究所)にて実施した。また、この3成分ガス系のポンピングプロセスについて、シミュレーション計算を実施し、ガスの組み合わせについて最適化を行なうと共に、実験で求められた発光スペクトルとの比較検討を進め、現在のところ、5×10^<13>n/cm^2.sec以上の中性子束でレーザー発振する予定と結論している。
(2)レーザーを用いた原子炉制御法
^3Heガスの核スピンをレーザーにより整列させることにより、^3Heガスの中性子吸収断面積を半減させる方法により、新しい原子炉制御棒を作る可能性につき検討した。その結果、795nmのレーザーでRbを偏極し、スピン変換により^3He核スピン偏極が実際に可能であることがわかった。また、La系レーザーによる^3Heガスの直接スピン偏極法についても検討した。
(3)原子炉計測・制御系の設計
以上の2つの手法を用いて、計測・制御系の設計を行なった。
【研究代表者】