高輝度X線発生のための逆コンプトン散乱プロセスの高度化に関する研究
【研究分野】原子力学
【研究キーワード】
高品質電子ビーム / 時間同期 / 空間同期 / 高輝度レーザー / 逆コンプトン過程 / 高輝度軟X線 / ピコ秒 / 水の窓 / 逆コンプトン散乱 / 軟X線 / 電子ビーム / レーザー / 高周波電子銃 / X線顕微鏡 / X線
【研究成果の概要】
成果の概要
電子・レーザー間での逆コンプトン散乱を現実のものとするために、電子ビームの徹底した高品質化を目ざし、超低エミッタンス電子ビームを発生できる、レーザーフォトカソードRFガンシステムによる電子ビーム発生を行い、ピコ秒単パルス電子ビーム発生に成功した。また衝突用のレーザーシステムの安定化を実施し、基準信号に対する時間ジッターを0.26ピコ秒以下と、逆コンプトン過程を高度化するために必要な基礎開発に成功した。さらに、得られた電子ビームのエネルギー、エミッタンス等の重要な物理データを取得し、従来の電子ビーム装置より格段に高品質なビーム(具体的には、規格化エミッタンスで数mm・mradという、従来の熱電子銃で得られる値より一桁以上良好な値。)が得られることを確認した。また電子ビームのパルス長計測についても、ビームスペクトラム法という非破壊方式で、しかもオンタイムに計測が可能なシステムの開発も行った。その結果、5ピコ秒以上の電子ビームに対しては、高精度にパルス長を計測できるシステム開発に成功した。さらに、逆コンプトン散乱過程のシミュレーションを実施し、逆コンプトン過程による、X線発生の最適化を行った。これらデータを用いて、時間及び空間の同期を高精度に行うことのできる新しい発想の衝突用チェンバー(真空容器)を設計・製作し、実際のビームラインに設置した。また、この後、衝突用のレーザーのパワー増幅を含めた、全体システムの高度化を実施した。その結果、平成15年1月に真空中での軟X線(エネルギー300eV(エネルギー可変)、パルスあたりの高指数6000個、エネルギー幅1%)発生に生成に成功した。
ここで得られた軟X線は将来、生体観測用の軟X線顕微鏡への応用が可能であり、波及効果は極めて大きい。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
柏木 茂 | 早稲田大学 | 理工学総合研究センター | 講師 | (Kakenデータベース) |
濱 義昌 | 早稲田大学 | 理工学総合研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】15,900千円 (直接経費: 15,900千円)