応力場の高速時空間制御による超精密フェムト秒レーザ加工技術基盤の創出
【研究キーワード】
フェムト秒レーザ加工 / 応力計測 / 応力制御 / 超高速イメージング / 透明材料 / フェムト秒レーザ / ガラス / 応力波 / 精密加工 / 高速計測 / 高速イメージング
【研究成果の概要】
透明材料を微細に加工する手法としてフェムト秒レーザが注目されている.しかし,フェムト秒レーザ加工時にはクラックが生成されるため,精密加工が困難である.本研究では,フェムト秒レーザ加工時に過渡的に出現する巨大応力場を時間的かつ空間的に制御することにより,透明硬脆材料の超精密加工を実現する.従来の電気的・機械的なセンシング・アクチュエーションで,ピコ秒の時間スケールを計測・制御することは極めて困難である.そこで本研究では,ピコ秒スケールで変動する応力場の定量計測技術と,瞬間的に出現する引張応力を抑制する応力場制御技術を開発し,両技術を統合することで,超精密加工技術基盤を創出することを目的としている.
本年度は,応力波伝搬時の密度分布をピコ秒からナノ秒のオーダで計測する技術の開発と,同等の時間スケールで応力分布を制御する技術を開発し,両技術の複合によって引張応力を抑制することを目的とした.
密度分布計測には,ポンプ・プローブ撮像法とマッハ・ツェンダー干渉計を組み合わせた手法を開発し,高速変化の3次元分布を計測した.計測の結果,応力波の前方に分布する圧縮応力と後方に分布する引張応力の時間差と強度差を明瞭に示した.それをもとに引張応力の生じるタイミングで第2の応力波を生成し,圧縮応力を付与し,応力を相殺することを提案した.
提案手法の有効性を評価するために, 加工用のレーザ光をメインパルスとサブパルスに分岐し,微小な遅延時間を設けた後に同軸で加工試料に集光できる実験系を構築した.さらに,その際の高速現象を計測できるシステム構成とした.各種の条件で実験を行い,有効性を評価した.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)