マイクロプラズマを用いた超小型水素生成システム
【研究分野】電力工学・電気機器工学
【研究キーワード】
改質器 / マイクロプラズマ / 水素 / メタン / モバイル機器 / 水素生成 / メタン改質 / プラズマ化学 / メタン転換率 / 水素選択率 / 非平衡プラズマ / 大気圧プラズマ / 半導体パワーデバイス
【研究成果の概要】
携帯型電子機器用の小型燃料電池へ水素を供給する小型改質器を、大気圧下でメタンを用いたマイクロプラズマにより水素を生成する方式で実現することを目的とする。反応に関わるメタン量を大きくするため、内径190mmの微小なノズル電極からメタンを流出させて放電を行う高効率の水素生成法を提案した。対向する電極はメッシュあるいは平板電極を使用し、電源周波数は500Hzから2kHzで変化させた。放電はフィラメント状で、放電が生じる電極の場所は一定であった。メタンの流量が小さくなるほど、また、電源周波数が高くなるほど、メタン転換率は高くなり、最大38.5%が得られた。電極付近には固体炭素の析出がみられ、2kHz以上の高周波電圧では数分で電極間が短絡し、放電は停止した。メッシュ電極と平板電極を比較すると、メタン転換率は流量が小さいときではほとんど違いがないが、メタン流量が大きい場合、メッシュ電極を用いると大きくなった。これは、メッシュ電極では、固体炭素がガス流により除去され析出が抑制されるためと考えられる。水素生成率も流量が小さいとき、あるいは周波数が高いとき高くなった。なお、水素生成率はメタン転換率が増加すると増加し、最大で26.3%を得た。また、水素選択率は、メタン流量、電源周波数、電極形状の違いによらずほぼ一定で30%であり、メタン転換率にも依存しない。生成ガスのほとんどが水素であることを考えると、これは生成した水素原子が炭素内に吸着されたためと考えられる。また、飽和水蒸気を付加すると炭素析出の抑制が実現できる。今回の実験では二酸化炭素が生成され、水蒸気の関与は明らかであるが、水蒸気が少量のため、有効な結果は得られなかった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
道畑 日出夫 | 東京電力株式会社 | エネルギー・環境研究所 | 主任研究員 |
井深 真治 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】15,700千円 (直接経費: 15,700千円)