ベイジアンSEMによる質的・量的情報の統合とその小規模コミュニティ調査への適用
【研究キーワード】
ベイジアンSEM / 小規模コミュニティ / スモールデータ / 災害復興 / 不確実性 / 混合調査法
【研究成果の概要】
本研究では,小規模コミュニティのようにデータ数が多くできない事例において,構造方程式モデリング(SEM)を適用できるようにするため,量的情報と質的情報を統合した分析を可能とする枠組みを構築するため,ベイズ理論を適用して定式化されたベイジアン SEMを利用する手法を提案する.
初年度は,事前情報として与える条件の妥当性やその効果を定量的に計測するため,研究代表者の保有する既存の調査データを用いて,WAIC(Watanabe Akaike Information Criteria)およびWBIC(Watanabe Bayes Information Criteria)の適用性について検証した.算出手法やその精度,解析の安定性等についての知見を得るとともに,課題も明確にした.既往の事例においては,通常のSEMを用いた従来の検討では適切な解析が行えなかった複雑な構造を想定した分析に適用し,ベイジアンSEMを用いて事前情報を反映させることで同様の分析が実施可能となることを示した.また,技術普及が進みつつあり,サンプルを多く収集するのが難しいフェーズに対し,ベイジアンSEMを適用して技術普及メカニズムを分析した.
また,実事例において適用するため,海外における地震により被災したコミュニティ(COVID-19が問題となっていない地域を選定)の復旧に関する情報を収集し,また,アンケート調査を実施した.質的にも量的にも十分なデータを得たと考えている.一方,国内の事例としては,熊本地震からの復興まちづくりや地方創生について,コロナ禍であることから文献調査などを中心に活動を行った.当該事例については今後調査を実施する予定である.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小谷 仁務 | 京都大学 | 工学研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
田中 尚人 | 熊本大学 | 熊本創生推進機構 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2023-03-31
【配分額】5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)