ウェアラブル皮膚熱流センサを用いた人体温冷感評価法の革新
【研究キーワード】
温熱生理 / ウェアラブルセンサ / 人体温熱生理 / 温冷感 / 皮膚熱流 / 評価手法
【研究成果の概要】
本研究は、人々が屋内や屋外の空間移動を伴う日常生活において、非定常的に感じる暑さや寒さ、涼しさといった温冷感や熱ストレスを、ウェアラブルタイプの皮膚熱流センサを用いて評価する手法を構築することを目的としている。
研究初年度の2021年度は、非定常時の人体温熱生理と温冷感の特徴を明らかにするために、まず2室の実験室を用いて、温熱環境(室温)をステップ変化させた場合、および、トレッドミルを用いて運動量をステップ変化させた場合の、人体温熱生理と温冷感申告に関する被験者実験を実施した。その際に、代謝量や皮膚温、鼓膜温、皮膚熱流量をウェアラブルセンサを用いて計測し、温冷感との関係を明らかにした。
さらに、人体熱モデルであるTwo-nodeモデルを用いて、上記の非定常状態における人体温熱生理と温冷感を予測するために、Two-nodeモデルに運動時の血管収縮作用や代謝量の非定常性を導入したうえで、発汗に伴う潜熱や脂肪厚に関連するパラメータ(発汗制御係数,熱コンダクタンス,血管拡張係数)を変化させる操作を行い、被験者実験の結果との対応関係を確認した。
また実用化に向けた検討として、上記の実測結果とモデル解析の結果を踏まえて、胸部での皮膚熱流量の他に、ウェアラブルセンサでの簡便な取得が期待できる手首での皮膚熱流量や、手首と指先との温度差に注目することで、より実用的かつ容易に深部体温や温冷感を予測できる可能性があることを考察した。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)