水中微生物の光回復を抑制した紫外線照射水処理手法の開発
【研究分野】土木環境システム
【研究キーワード】
紫外線消毒 / 光回復 / 大腸菌 / クリプトスポリジウム / レジオネラ / 低圧水銀ランプ / 中圧水銀ランプ / ESS法 / Escherichia coli / Crystosporidium parvum / ピリミジン二量体 / 生残率測定法 / 紫外線感受性
【研究成果の概要】
水の紫外線消毒処理に対する社会的関心が高まりつつある。よって本研究では、紫外線不活化の特性やその後の光回復の危険性などについて定量的知見を得ることを目的とした。微生物種や処理方式の違いにより不活化や光回復の特性が大きく異なることから、特に水中の健康関連微生物に注目してその挙動を調べることとした。測定には、従来用いられてきた培養法による生残性/感染性の測定に加え、Endonuclease Sensitive Site(ESS)法による遺伝子損傷の測定を行った。ESS法は、放射性同位体を用いることなくDNA上のピリミジン二量体を測定する方法として既に確立された手法であるが、生物の生残率とピリミジン二量体数の相関を検討した研究は乏しく、また、水の紫外線消毒の評価に用いられた例は皆無であった。本研究により、水中微生物の紫外線不活化および回復において、(1)ESS法が遺伝子損傷の消長を定量する手法として有効であること、(2)不活化光の波長が不活化および回復特性に影響を及ぼすこと、(3)異種の微生物は不活化および回復において異なる挙動を示すため注意を要すること、が示された。
【研究代表者】