表層凍結斜面崩壊メカニズムの地盤工学的解析に基づく東欧校倉木造教会堂保存の研究
【研究キーワード】
木造教会堂 / 校倉造 / ウクライナ / ポテリッチ / 地盤調査 / 東ヨーロッパ / ログハウス / 世界遺産 / 保存 / 凍土 / 斜面崩壊 / モニタリング / 地盤工学 / 地滑り
【研究成果の概要】
本研究はウクライナの校倉造木造教会堂保存のために、1)凍土地盤による斜面崩壊のメカニズムの解明、2)校倉造木造建造物の劣化メカニズムの解明、および3)凍土による斜面崩壊への対策と校倉造木造教会堂への修理方針の検討、を行うため、本年度はまずポテリッチにある聖神降臨聖堂敷地へのボーリングによる地盤調査を行う予定であった。しかしながらコロナ感染症対策のために外国調査を行うことができず、ボーリング調査をウクライナの地盤調査会社に委託することになった。
ボーリングによる土壌サンプリングの目的は、木造教会堂に変形をもたらしていると想定される斜面の地盤崩壊の原因を特定するためである。聖神降臨聖堂の敷地は小高い山の斜面に位置しているが、ソ連時代に斜面の裾を農道造成のために切削している。教会堂の敷地は裾から5メートルほどの高さにあり、教会堂敷地から深度5メートル以上のボーリングが必要と考えられる。
ボーリング切削により抜いたコアは、流動性・不安定性の原因になる粘土層を把握するために、砂、シルト、粘土状態を調べる粒径試験および1メートルあたりの含水比試験を行う。特に流動面と思われる不均質個所の特定を進める。教会堂は中央部分の壁面に亀裂がみられるため教会堂の斜面上部と斜面下部の挙動が異なると想定され、そのためボーリングは少なくとも斜面の上部と下部の2か所で切削する必要がある。深度は5メートルから10メートルほどが必要である。これらの条件を整理し、国際共同研究の相手方共同研究者を通してウクライナの地質調査会社に依頼している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤田 香織 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
マルティネス アレハンドロ | 京都工芸繊維大学 | デザイン・建築学系 | 助教 | (Kakenデータベース) |
石川 達也 | 北海道大学 | 工学研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2019-10-07 - 2023-03-31
【配分額】18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)