流域負荷を考慮したマングローブ林の物質循環機構に関する研究
【研究分野】水工水理学
【研究キーワード】
マングローブ / 流域負荷 / 赤土 / 亜熱帯 / 有機物 / 栄養塩 / 土地利用 / 物質循環 / 朝汐 / 洪水流 / 流域 / 土砂生産
【研究成果の概要】
沖縄県石垣市名蔵川流域を対象として,降雨時の土砂・栄養塩流出特性,河道内での土砂・栄養塩動態に関する現地観測を実施した.現地観測では,2003年8月上旬〜同年11月上旬の間,流域内の3力所に雨量計を設置し,名蔵川本川や支川と本川の合流地点に流速計,濁度計,水位計を設置し,雨量,流速,水位,濁度の連続計測を実施した.また,本川の計測点のうち2カ所に自動採水機を設置し降雨期間中の採水を実施した.採水されたサンプルは大学へと空輸し,サンプル水中に含まれる懸濁態物質濃度,濁質の粒径分布,栄養塩量,有機物量を計測した.観測の結果,本観測対象地・観測期間中においては,年に1回程度生起する降雨によって,全観測期間(3ヶ月)中の総土砂流出量の約4割が流出しており,このことから,土砂流出は強い降雨時に集中して生じることが明らかになった.また,観測期間中に捉えられた7回の降雨毎の土砂・栄養塩流出特性を比較することによって,土砂流出が多い降雨時には陸域からの栄養塩供給が主に粒子態として生じており,土砂流出量が少ない降雨では粒子態と同程度の溶存態栄養塩が河川に負荷されていることが示された.土地利用形態の異なる小流域間の物質流出特性を比較することによって,畑地が多い小流域からは溶存態窒素と溶存態リンが多く流出することが明らかになった.また,総雨量や潮汐とのタイミングによって流出した土砂の河口域での大気特性が異なっていることが明らかになった.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
戸田 祐嗣 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
浦瀬 太郎 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)