植生の気候緩和効果に関する土・植・気圏を一体とした水文学的研究
【研究分野】水工学
【研究キーワード】
都市気候 / 植生・街路樹気候緩和効果 / LESモデル / ヒートアイランド / 潜熱 / 土・植・気圏 / コンピューター・シミュレーション / 穂波 / 植生の気象緩和効果 / 雲の発生・発達 / 降雨の発生 / 地形効果 / 気温 / 湿度 / CO_2
【研究成果の概要】
1.目的:森林、緑地公園、街路樹などの植生が気象とくにヒート・アイランドなどの都市気候の緩和に果たす役割を、大気・植生・土壌の各圏を一体として解明する。大気流・水蒸気・熱・雲雨、植生および土壌の各圏を一体として取り扱う数値シミュレーション・モデルを開発する。
2.方法:LESモデルを組み込んでスーパー・コンピューターにより様々な条件に対して数値シミュレーションを行う。
3.結果
(1)植生のLESモデル:植物層内の大気もしくは水の乱流流れをシミュレートするためのLES(Large Eddy Simulation)モデルの数式化を行い、その妥当性の検証を風胴実験で行った。
(2)植生層境界での物質・熱の輸送:上記のLESモデルを用いて、植生層内外の大気流の三次元シミュレーションを行い、植生層境界に発生する大規模渦が、植生層と大気層との間の熱と物質(CO_2,O_2)の交換に大きく寄与していることを見出した。
(3)東京都心の熱環境:皇居周辺の日中の熱対流を上記の数値モデルによりシミュレートと、皇居を取り巻く首都高速道が強い熱源となり熱プルームを発生させていること、皇居の緑地や濠が冷熱源としてヒートアイランドを大きく緩和していることを明らかにした。
(4)街路樹効果:ビル街(ストリート・キャニオン)において街路樹が大きな気候緩和効果をもつことを示した。
【研究代表者】