サラワク先住諸民族社会における自然環境認識の比較研究
【研究分野】文化人類学(含民族学・民俗学)
【研究キーワード】
サラワク / 自然環境 / 認識 / 先住民族 / 変化 / イバン / カヤン / ケラビット / ペナン / サワラク / 先住民 / カマン / ボルネオ / 開発 / クニヤ
【研究成果の概要】
本研究の研究代表者および研究分担者は、研究期間中、毎年サラワク州内の諸地域で「自然環境認識」という研究課題に基づき調査研究を蓄積し、最終年度は、サラワク州のクチン市にて本研究の成果を公表すべく、現地研究協力者を含め、国際ワークショップを開催した。州内における調査対象民族(地域)は、以下の通りである。現地での協力機関はサラワク開発研究所であった。
内堀:スリアマン省スクラン川上流のイバン人村落にて生業の変化と環境認識についての調査。
津上:カピツト省ブラガ町周辺のカヤン人を中心とするリロケーション村落での社会的再編成と環境認識の調査。
増田美砂:ミリ省内陸部のケラビット人村落にて稲作に関する環境認識の調査。
石川登:ビントゥル省内陸部のクマナ川沿いの民族混住地域での社会環境と自然環境の調査。
サラワク博物館の前館長ピーター・ケディットは、研究協力者として、クチン市周辺およびスリアマン省のルボックアントゥ町周辺にてイバン人のキリスト教改宗と環境認識の変化の相関を調査した。
本研究の成果は、急激に変化しつつあるサラワクの景観および自然環境と、それに対処する人間の営みに焦点を当てた諸論考として結実した。そのうちいくつかは、森林の商業的伐採をめぐる現在のサラワク州政治的問題と国際状況にも深く関係し、微妙な議論を展開せざるをえなくなっている。
【研究代表者】