里山・里海のマネジメントを促す地域圏の解明:当事者意識の向上と都市地域連携
【研究キーワード】
地域資源 / 里山・里海 / 管理行動 / DMO / 多世代連携 / 都市地域連携 / 生物多様性保全 / 資源管理 / 土地利用 / GIS / グリーンインフラストラクチャ / 当事者意識 / 観光資源 / 世界農業遺産 / 地理的表示
【研究成果の概要】
本年度は、里山・里海の管理に関わる緑地の管理行動について質問票による調査等を行い、管理行動に対する期待や行動の障壁となる課題、管理方法に対する認識などについて世代や性別、居住環境等による違いを明らかにした。具体的には、管理行動に対する期待については、比較的若い世代において、人とのつながりや、教育面での効果が期待される傾向がみられた。管理方法に対する認識については、農地や公園等の緑地について個別に対応することを重視する傾向が若い世代にみられるのに対して、水系などによってつながる生態系を一体的に保全管理することは比較的高齢の世代で重視される傾向がみられた。また、里山の希少種に対する経験や知識は、高齢世代の方が多く有する傾向も把握された。以上より、世代間での里山・里海管理に対する認識の差異を的確に共有し、認識の差異から生じ得る誤解やミスコミュニケーションを避けながら、各地域の管理の目的沿った管理の方法を構想する必要性が見出された。本年度は、観光資源管理の主体の一つであるDMOに着目した分析結果を取りまとめた論文の発表も行い、都市部と郊外農村部のDMOの連携における相互補完性と相乗効果を形成する方法論について提案を行った。方法論については、地域の土地利用への認識について、衛星画像から判読される客観的な情報と、住民の認識の相関関係について把握する方法を構築し、当事者意識の醸成等に向けて科学的データを活用する方法についても示唆を得た。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
香坂 玲 | 名古屋大学 | 環境学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
徳山 美津恵 | 関西大学 | 総合情報学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)