都市形態形成の確率論的モデル
【研究分野】都市計画・建築計画
【研究キーワード】
土地利用パターン / 確率論的モデル / 連担性 / ゾーニング / パターン復元 / 空間相関関数 / 平均場理論 / 確率的均衡 / 土地利用 / 統計物理学 / アンサンブル / 非一様パターン / ゆらぎ / E-エントロピー / F関数 / 均衡状態 / カタストロフィー / 確率過程 / 形態形成 / 空間相関 / 復興過程 / ベイズ推定 / 都市形態形成 / サスティナブル / 確率的モデル / シミュレーション実験
【研究成果の概要】
最初に,都市住民のひとりひとりは自己の利益を最大化する行動するという基本仮定のもとでの土地利用変化を記述する確率論的モデルを定式化した。このモデルにより,都市全体の土地利用変化は,一種のマルコフ型の確率過程となることが示される。
次に,確率論的都市モデルを特徴づけるF関数という量を導入し,都市の土地利用はF関数が極小になる状態に収斂することを明らかにした。
上記の事実を基礎にして,F関数が2つ以上の極小点を持つ場合,1)土地利用変化過程でパラメータの僅かな違いで状態変化が大きく変化するカタストロフィー現象(分枝過程)が見られ,規制・誘導戦略に大きく影響すること,2)ある土地利用用途の比率が高い地域と低い地域が自然に形成されることを証明した。また,3)土地利用連担性指標が大きい状態ほど出現確率が大きくなることが証明でき,都市は,自然に土地利用連担性が高くなっていくこと,4)地震などで都市が破壊され土地利用が混乱した後の復興過程における土地利用変化を確率的都市モデルで分析することで,自然に被災前の状態へと復元していくことが示された。
さらに,2地点間の土地利用の一致性を表す空間相関関数の関数形を,確率論的都市モデルから導出した。この理論式と実データの適合性はよく,この対応からモデルのパラメータ推定の可能性をしめした。
最後に,解析の容易さが理由で,土地利用用途が2種の場合で議論してきたが,より一般的な場合へとモデルを拡張することが可能であること示し,数値計算により,2種の場合で示した理論的主張が一般化したモデルでも成立していることが示された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2003 - 2006
【配分額】2,800千円 (直接経費: 2,800千円)