都市の倫理的変容のための学際研究:持続可能性,情報,レジリエンス,食,経済
【研究キーワード】
都市 / 倫理 / 情報 / 技術 / 食農 / 学祭 / ファシリテーション / レジリエンス / 食 / 経済
【研究成果の概要】
採択の時期が遅く実質的な研究期間が半年ほどであったことに加え、異分野の研究者による学祭的プロジェクトであるため、今年度の研究活動の中心は申請書でも記述した、学祭的研究の方法論の側面に重点を置いた。アクティブ・ブック・ダイアローグの手法を用いた、メンバー間でのそれぞれの分析の方向性の共有や、ファシリテーションの諸技法に関する研究会などを、それぞれシリーズとして複数回開催した。また、それぞれの専門分野の観点からの都市に関わる問題の分析を集めた今年度の報告書の作成も行なった。これらの研究活動によって、学祭的研究の方法論の側面に関して実績と知見の蓄積が進んだ。
その他の点では、コロナの状況が計画申請時の想定よりも好転しなかったこともあって、各分担者による担当領域についての個別研究が主となった。たとえば神崎は技術倫理分野における都市に関連する文献のサーヴェイを進めた。斎藤はメインテナンス等について工学倫理の観点から検討をおこなった。鈴木はパンデミックの状況下における地理情報に関するシビックテックについて調査を行った。期間が短いため、今年度の期間内での成果の公表には間に合わなかったものが多いが、この科研を基盤としたワークショップが学会で採択されたり、神崎と太田が中心となって都市化の時代における食農倫理をテーマとした国際会議の開催が決定するなど、来年度での成果公表のための準備は順調に行うことができたといってよいだろう。
【研究代表者】