超高齢化社会の歪みを正す投票制度に関する理論及び実験研究
【研究キーワード】
実験経済学 / 投票実験 / 利他性 / ドメイン投票 / 代理投票 / 超高齢化 / 投票制度 / 子供 / インターネット調査 / 将来世代 / 共感 / 義務感 / ドメイン投票制度 / 経済実験 / 超高齢化社会
【研究成果の概要】
高齢化の進行する民主主義国家は等しく有権者の高齢化という問題に直面しており、将来世代の利益は軽視されがちとなる。将来世代の利益を担保できる新た な投票制度として、選挙権年齢未満の子どもを有する親が、子供の代理として投票するという代理投票制度が注目を集めている。本研究では、代理投票制度が本 当に将来の利益に資する選択を導くのか、という問いに対して、理論を構築し、実験室実験およびインターネット調査実験を用いて明らかにしていく。
予備的調査、平成30年度の調査を通じて、18歳未満の子供を有する人は18歳未満の子供を有しない人と比べて、寄付金額が高い傾向があることが確認で きた。当該結果は繰り返し確認されており、一定の頑健性を有すると考えられる。その一方で、そのような寄付金額が高い人たちであっても、自身の子供の代理 としての意思決定においては、寄付金額が低くなるというパラドキシカルな現象も観察している。
平成31年度(令和元年度)は、これまでの調査から繰り返し観察されている、代理票においてなぜ親の寄付金額が減少するのかを明らかにするため、さらな るインターネット調査を実施した。調査の目的は、(1)結果の頑健性の確認、(2)代理意思決定において寄付金額が減少する理由の解明、そして、(3)代 理という文脈においても寄付金額を向上させるような仕組みの検討である。そのような仕組みとして、意思決定の理由を子供に見せる、という操作を実施した。
令和2、3年度は、当該調査の継続調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大という異常事態であったことを鑑みて、調査の実施を延期することとした。また、予備的調査をまとめた論文が昨年度国際学術誌に掲載された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)