ネパール高地トクチェ村周辺の定住/非定住の研究 高地アジア交易路沿の生存様式解明
【研究キーワード】
高地集落 / 東アジア / 流域文化 / 交通経済 / フィールドワーク / 遊牧民 / ヒマラヤ / ぞミア / 地域経営 / 高地居住 / ゾミア / 交易集落 / Buildinghood / 茶馬古道
【研究成果の概要】
COVID-19発生のため当初のネパール・トクチェ現地調査が不可能な状態が続いている。現地報告では現地住民における恐怖感も発生している。そのためインド・ ヒマラヤ・中国高地民族の集落立地・生業研究との比較のために、日本国内での高地に位置する伝統的集落を同様の視点で行うこととした。 具体的には、1高地集落がいかなる生活・建築様式を築いたか(環境適合性/非適合性)、2成員がいかなる経済活動と生活圏を構築したか( 交通・経済・生業)、3集落外に居住する成員にとって出自集落はどのような意味を持つか(集落存在の根拠)という三要素の連関性の分析に ついて現地調査、聞き取り、並びに文献調査によって行うこととした。結果以下のような調査活動を行なった。
1. 調査方法の検討 下記の長期調査を実行し、協力学生また研究協力者である地質学者、社会学者、民俗学者との現地調査のための調査方法を確立した。結果として対象地域ついて以下の項目をまとめることとした。1-1. 文献研究:先行研究,人口推移,地形・地質,気候,交通史,災害史,産業・生業史,宗教・風俗,既存の民家調査 1-2. 現地調査:ヒアリング,建物立地,現状の生活・生業確認 1-3. 分析調査:標高断面とパノラマによる地域特性把握図の作成 1-4. その他特筆すべき点
2. 長期調査の実行 最終的に2箇所について上記調査を行なった。秋田県阿仁川流域と徳島県那賀川流域である。前者はマタギ等の猟文化が継続していること,さらに鉱山開発等の高地特有の地域経営が営まれていた。特にマタギは各村で完結して行われており,その様式も複数存在していた。後者では急進な地形に沿った集落の現存状況をまず確認し,中世から近世にかけての河川交通の趾について確認した。
3. それらを調査報告書としてまとめ,関係機関に送付した。次年度との総合によって査読論文を執筆予定である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)