家庭用個別分散型電熱源によるエネルギー自立型サステイナブル住宅の研究
【研究分野】建築環境・設備
【研究キーワード】
固体高分子形燃料電池 / コージェネレーション / 数値シミュレーション / 1次エネルギー削減効果 / CO_2排出量削減効果 / 光熱費削減効果 / 実測試験 / 地域比較 / 省エネルギー
【研究成果の概要】
本研究では、家庭用分散型電熱源の一つとして開発が進められる固体高分子形燃料電池CGS(PEFC-CGS)の導入効果を試算する数値シミュレーションプログラムを作成し、その導入効果の検討を行った。数値シミュレーションの構築に当たっては、福岡市アイランドシティに建設したエネルギー自立型サステイナブル住宅に試作機を設置し、その試験運転結果から部分負荷効率、起動停止時エネルギー消費量、貯湯槽からの熱損失等の機器特性を明らかにし、その結果を基にエネルギー消費量を算出する数値シミュレーションプログラムの構築を行った。このプログラムを用い、戸建て住宅における最適運転手法と導入効果、地域別の導入効果、複数世帯で共有した場合の導入効果、デシカント換気システム等と併用した際の導入効果について検討を行った。
PEFC-CGSの最適運転方法の検討では、予め最適となる起動停止時刻を設定してPEFC-CGSを運用する『DSS(Daily Start & Stop)運転』が最適であることが明らかになった。一般的な世帯(4人家族共働き)で、DSS電力負荷追従運転(逆潮流無し)を採用した場合、従来システムと比較して、1次エネルギー消費量を年間約11%、CO_2排出量を年間約16%削減できることが分かった。逆潮流を考慮し、定格出力でPEFC-CGSを運用した場合は、削減率は更に1〜2%高くなる。地域別で比較した場合、給湯負荷の大きくなる高緯度地域ほど削減率が高くなる。また、出力1kWのPEFC-CGSは2世帯から3世帯で共有すると導入効果はさらに高まり、6%程度の導入効果向上が見られた。
分散型電熱源にはこれ以外にもガスエンジンCGSや太陽電池、太陽熱など種々存在し、その組み合わせも無数に存在する。今後は家族構成や自然環境、ライフスタイルやライフステージに合わせて最適な組み合わせを導き出せるよう改良を続ける予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
赤司 泰義 | 九州大学 | 人間環境学研究院 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
高口 洋人 | 九州大学 | 人間環境学研究院 | 学術研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)