オンライン演算に基づく再生可能エネルギーの広域制御による電力系統安定化理論の開発
【研究キーワード】
電力システム / 再生可能エネルギー / スマートインバータ / 広域制御 / 安定化制御
【研究成果の概要】
将来の電力系統では,太陽光発電などの出力予測が難しい再生可能エネルギー(再エネ)が大量導入されることで電力系統の運用状態の事前把握が難しくなり,既存の安定化技術だけでは発電機群の安定性を維持できなくなり,停電リスクの増加が懸念される。本研究では,近年技術開発が進んでいるリアルタイムの系統情報計測技術や広域間の高速情報通信技術により,インバータで連系された再エネの出力を広域的かつ高速に制御することで,再エネの不確実性にも対応可能な新たな電力系統安定化システムを提案し,システム構築の核となる安定化制御理論を開発した。また,提案理論の有効性を計算機シミュレーションにより明らかにした。
【研究の社会的意義】
電力系統における発電機群の安定性は,これまでインバータによる安定化の対象とされてこなかった。本研究では,インバータの高速な応答性を鑑み,制御システム次第では十分にその安定化が可能であることに着目し、これまでインバータの機能開発の分野において研究対象とされてこなかった発電機群の安定性向上理論を提案した。提案理論において,インバータの制御に広域リアルタイム計測技術や高速情報通信網などの新技術を適用するという発想にも,本研究の独自性がある。提案理論は,状態変化しやすい将来の電力系統に適用可能な電力系統安定化システムの構築に寄与しうる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)