X線シングルショット顕微分光イメージングの実証
【研究キーワード】
X線顕微鏡 / X線ミラー / X線自由電子レーザー / X線吸収分光 / 回折格子 / 分光イメージング / X線吸収微細構造 / X線光学 / 電子ビーム露光 / X線 / 微細加工
【研究成果の概要】
研究2年目になる2021年度は、昨年度作製したマルチ開口グレーティングの性能評価に主に取り組んだ。
大きな進捗としては、兵庫県播磨のX線自由電子レーザー施設SACLAに、新たにマルチ開口グレーティングを評価可能するための超高真空対応の軟X線光学システムを構築したことが挙げられる。本システムを用いて実際に光子エネルギー100 eVの軟X線レーザーを照射した実験にも取り組み、昨年度までのシミュレーション通りに回折・分光させることが可能であることを確認した。
またマルチ開口グレーティングに関しても、回折効率や分光性能を高めるために、回折格子設計の改善や、電子ビームリソグラフィのパラメータ最適化も試みた。具体的には昨年度まで作製していた透過型回折格子の設計を、等間隔のものから、上記SACLAの軟X線光学システムに最適化した不等間隔に変更し、分光性能を高めるとともに、検出器上でのX線強度を大きく高めることに成功した。
以上に加え、これまでの結果を踏まえてこの他最終年度にシングルショットでの顕微分光イメージング計測を行う候補試料の探索にも取り組んだ。本研究提案での実験では、軟X線の透過配置での顕微分光を想定しているため、200ナノメートル厚の窒化ケイ素薄膜上に試料をパターニング、または均一に塗布可能な技術を開発した。この試料準備技術の開発に関しても、SACLAでの評価実験に成功しており、全体として計画は順調に進行していると考えている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
三村 秀和 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
志村 まり | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター | その他部局等 | その他 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)