新技術・フェライトメッキを応用した光磁気ディスクの開発
【研究分野】電子材料工学
【研究キーワード】
光磁気ディスク / フェライトメッキ / スプレースピンコート法 / 媒体雑音 / 結晶粒径 / マグネタイト / コバルトフェライト / 表面あらさ / フェライト膜 / 光磁気記録媒体 / 磁気ディスク / メッキ膜
【研究成果の概要】
1) 光磁気ディスクでは, 8〜12インチのディスクの全面にわたって一様かつ均一に良質の磁性膜を得る必要がある. この目的には従来のフェライトメッキ法は不適であったので, 本研究では, 新たに薄液膜法とスプレースピンコート法を開発し, 8インチディスク全面にわたって一様かつ良質の膜を形成することができた.
2) スプレースピンコート法が最適の方法であることが判明したが, この方法では, 無酸素水を用いるため量産に適さないことが明らかにされた. そこで我々は, 反応液と酸化液のPHを適切化することにより, 無酸素水を要せずにフェライトメッキ反応を行わせる方法を確立してこの問題を克服することができた.
3) フェライトメッキ膜は多結晶であるため, 光磁気メモリー媒体としては, 表面および粒界における光散乱による媒体雑音が問題となる. そこで, 表面平滑性のよくなるメッキ条件を決定し, またクリーンルームおよびフィルターの使用によりさらにそれが改善されることを明らかにした. さらに, デキストランまたはサッカロースを反応液中に添加してメッキすることにより結晶粒径を微細化することに成功した.
4) Fe_<3-x>CoxO_4系フェライトメッキ膜では, 組成xを変えることにより, 光磁気メモリーに要求される数100-IKOe程度抗磁力が得られることを明らかにした.
5) 光磁気ディスク用基板に用いられるアクリル, ポリカーボネイトなどのプラスチックに対するフエライトメッキ膜の付着強度は, 基板表面を空気プラズマにさらすことによって増大させられることを明らかにした.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
池田 承治 | 日本ペイント(株) | 技術センター | 部長研究員 |
玉浦 裕 | 東京工業大学 | 理学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
五味 学 | 東京工業大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
IKEDA Shoji | Research Center, Nippon Paint Corporation |
|
【研究種目】試験研究
【研究期間】1985 - 1987
【配分額】7,500千円 (直接経費: 7,500千円)