多波長フェムト秒パルス間のコヒーレンス測定とアト秒パルス列発生
【研究分野】応用光学・量子光工学
【研究キーワード】
光位相同期 / タイミングジッター / アト秒 / フェムト秒 / フーリエ合成 / 光位相制御 / パルス計測 / フィードバック / ファイバーレーザー / 自己相関
【研究成果の概要】
超短パルス測定の方法として、,従来広く用いられている自己相関法がある。この方法をフーリエ合成によるサブフェムト秒パルス列測定に応用する方法を考案し、実証実験を行った。サブフェムト秒パルスに応用するためには超広帯域のスペクトルに対応させる必要がある。そのためには非常に薄い非線形結晶を用いることが重要となる。商用化されている結晶の薄さは5ミクロンが限界であるが、我々は厚さサブミクロンの半導体結晶を用いてパルス測定ができることを示した。用いた結晶はZnO、GaN、AlNであり、それぞれ第二高調波が発生することを確認し、7fsのチタンサファイアレーザーパルスをこれらを用いて測定することができた。これについては論文投稿中である。また、多波長のフェムト秒パルス合成のための他光源として波長1.5ミクロンのErドープモード同期レーザーを作成し、これと波長1.3ミクロンのクロムフォルステライトレーザーとのタイミング同期実験を行った。固体レーザーパルスをファイバーレーザーに注入することにより両者のタイミングを3fs程度に抑えることができた(Opt.Lett.31,3242(2006))。さらに、固体レーザーのパルスを二つのファイバーレーザーに注入することにより2台のファイバーレーザーのタイミング同期を取った。それらの干渉を見ることによりファイバーレーザー発振器の線幅を測定することができ、今まで考えられていたものよりも狭いことが分かった。さらに、これをコントロールすることに成功し、ファイバーレーザーもチタンサファイアレーザーやOPOのように光位相を十分制御可能であることを示した(ECOC2006にて発表、論文準備中)。アト秒パルス列測定のためには超広帯域光増幅が必要となる。このための高繰り返し高出力Ybファイバーアンプを構築し、2MHz繰り返しで10Wの出力を得た。今後この励起光を用いてコヒーレント多波長光源を増幅し、作成した電子分光器を用いてアト秒パルス測定を行ってゆく。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】30,160千円 (直接経費: 23,200千円、間接経費: 6,960千円)