層状チタン酸のナノ構造制御による可視光活性光触媒の創製
【研究分野】無機工業化学
【研究キーワード】
タンタルタングステン酸 / 四チタン酸 / 酸化チタン / 硫化カドミウム / ナノ複合体 / インターカレーション / 光触媒活性 / 可視光応答性 / 白金 / 光化学特性 / チタニア / 光触媒 / 可視光 / 遷移金属付活 / ルチル / 酸化鉄 / 水熱晶析反応 / イオン交換反応
【研究成果の概要】
層状チタン酸H_2Ti_4O_9の層間にCdSやTiO_2を包接したナノ複合体H_2Ti_4O_9のTi^<+4>の一部をCu^<2+>とNbで同時に置換し、電荷バランスを保持した異種遷移金属イオン同時固溶四チタン酸および層状HTaWO_6の層間にTiO_2とPtを包接したナノ複合体を合成し、それらの光触媒活性を評価した。いずれの試料も可視光照射下において硫化ナトリウム水溶液又はメタノール水溶液中で水素生成活性を示した。なお、HTaWO_6は、単独ではメタノール水溶液中で不安定であり、紫外線照射するとTaO_5とH_2WO_4に分解したが、HTaWOに白金およびチタニアを包接したHTaWO_6/(Pt, TiO_2)の可視光応答性は層間にルチル型チタニアが高分散で包接されたことによると推察された。一方、層状化合物/CbSナノ複合体同士の比較では、H_4Nb_6O_<17>/CbSの蛍光はモンモリナイト/CbSの蛍光より郷土が弱く、寿命が短くなっている。また、CdSやTiO_2を包接したナノ複合体の蛍光寿命測定により、層間のCdSおよびTiO_2から、ホスト層状チタン酸H_2Ti_4O_9へ10^7〜10^9sec^<-1>の高速電子移動反応が起こり、電子と正孔の再結合が抑制されていることが示唆された。このような高速電子移動反応が層状化合物/半導体ナノ複合体の優れた光触媒活性発現の一因と考えられる。
【研究代表者】